記事一覧

年末

ファイル 85-1.jpgファイル 85-2.jpg

[容疑者xの献身]超売れっ子作家を読むというのが何となく癪で、[夜明けの街で]以来、手にも取らずにいたのですが、再度映画をテレビで観て、つい読んでしまう事に。
実に面白い、全く泣ける小説でしたね、大筋は映画で頭にあり後追いする形でしたが、やはり文面と言葉で表現されると奥深い所を抉り取られるようで震えながら止めなく溢れてくるものがありました。本質は身を挺すことの美しさを上手に描いた東野圭吾でした。

同様に震えた日本海でした、30日の上越釣行は。臆病風以上の強風に煽られ、只ならぬ大波のウネリに恐々としつつ、無事7時に出船した18名、延々14時までシャクらされる事になろうとは努々思わず、何がいいって天気のみの状況は7時間の悪夢に魘されたようでした。
しゃくれどしゃくれど、何も釣れず、あたりもなく、目線よりも高い波が船を揺らすこと、数時間、耐え切れずに寝入ろうとしたその時[ヒット!]と、どこぞの誰かの雄叫びに思わずロッドの握ってしまう小市民ぶりを発揮し、その釣れたフクラギを見て、さらに気が滅入り寝入ること小一時間、起きがけの、それでも船中大揺れの中、帰港しようとしない船長を余所に、苦行僧然とシャクリを繰り返す18名、ただシャクルだけ。
[これで最後の流しになります]、14時過ぎの船長のお言葉に自然と笑みがこぼれた年の瀬の釣行でした。