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暇にかまけて2冊

[夢をかなえるゾウ]、[告白]と趣向の違う2冊を立て続けに読み終えました。どちらもよく売れただけあって、本当に面白い。


よくある処世術と昔ながらの道徳観を強要するレクチャー本ではあるものの、神と称する関西弁の象[ガネーシャ]と与えられた無理難題を必死にこなす幸薄い青年とを面白可笑しく描いた作品。
生き方や人生観を謳うHOW TO 本は全く読む気になりませんが、これは課題に対する説明、具体例などが充実しており、また突拍子のない展開と現実味のない内容も関西弁で包含することによりエスプリの効いた味付けの良い印象を受ける。
なにかと再読してみようかと。


久々に感心させられた作品、映画化され何処まで表現できているか若干興味もある。
第一章で訥々と自分の娘を殺害された経緯、その犯人の生徒像、思いもつかない復讐を語るあたり、並々ならない展開を予感させ、さらに毒々しい苛め、妬み、嫉みなど陰湿で濁った心理的描写を軸にして凡庸で破滅的な生徒や読むに堪えない歪んだ母性愛など最終章まで唾棄する内容をとにかく盛り沢山に詰め込み、最後、スカァっと終わらせてた珠玉の一作。