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とりでなきもの

[砦なき物]久しく読んで無かった分、のめりこんで一気に読み終えた一冊、筋立ての良い小説でした。
殺害予定の被害者が仕組んだトリックと巻き込まれるテレビ局の視点と錯綜するそれぞれの思惑を見事に描いた第一編、犯人であろう人間の深層心理と生き様を上手く絡めて引っくり返した第2編、どちらもリアリズムを損なわない秀作でしたね、与太話の3部4部に比べると。

それにしても齋藤智、これほどの話題性、実にアヤしい。